公認会計士・税理士の古谷です。個人事業主や企業が税理士に支払う主な報酬には、記帳代行料というものがあります。記帳代行と聞いてもいまいちピンとこない方も多いかと思います。今回は記帳代行の内容とメリットデメリットについて説明していきます。
【目次】
記帳代行とは?
記帳代行を依頼するメリット
1.面倒な作業から解放され、本業に集中できる
2.従業員やパートを雇うより安い
3.正確に記帳することができる
記帳代行を依頼するデメリット
1.費用がかかる
2.税理士によっては引き受けてくれない
まとめ
記帳代行とは?
記帳とは、ざっくりいうと、領収書やレシートを整理し、それを伝票に入力することで、試算表や決算書などを作成する業務でありこれを外部に委託するのが記帳代行です。税理士のホームページをみると、記帳代行については税理士事務所によって様々なやり方を採用しています。よくある丸投げプランであれば、領収書やレシートを整理もせずに、税理士に丸投げしてしまえば、全てやってくれるサービスです。それ以外にも、領収書等の整理は企業側で行い、仕訳入力のみを税理士に依頼するサービス形態もあります。当然、サービス内容によって料金は変わってきます。また、領収書やレシートの量によっても料金が変わる場合がありますので、やってほしい作業と料金を比較しつつ、検討する必要があります。
記帳代行を依頼するメリット
1.経営者として、本業に集中できる
私が個人的に思う記帳代行の最大のメリットはこれです。記帳を自分で行う場合、当然会計・税務の知識がないため、時間がかかってしまいますし、時間をかけたにも関わらず間違った記帳を行う可能性もあります。企業や経営者にとって記帳は売上を生み出す作業ではありません。ですのでご自身の時間単価を考えた上で、記帳については税理士にお願いし、その分空いた時間で本業に専念するというのが合理的な考えではないかと私は思います。ただし開業当初でできるだけ費用を抑えたい方や会計や税務の知識を身に着けるためにも最初は自分でトライしてみたい方などは一度自分でやってみるのも一つかと思いますのでご自身に会った方法を検討してみてください。
2.従業員を雇うより安い
経理の為に従業員やパートを採用した場合、パートであったとしても月5~8万円程度はかかるのではないでしょうか。それに比べて、税理士に記帳代行を依頼した方が圧倒的に価格は安くなると思います。また、既に経理担当者を雇用している場合ですが、経理担当者の仕事範囲が広く、残業時間が長い場合は、残業時間削減のために、経理担当者の仕事の一部を税理士に依頼することで全体的なコスト削減につながる可能性があります。
3.記帳の正確性が担保される
会計・税務の知識のある税理士に依頼するため、正確性は担保されます。ご自身で記帳を行う場合、本来経費に入れてはいけないものを入れてしまったり、売上として計上しないといけないものが漏れたりする可能性があります。このような場合、税務調査で指摘されることや銀行から融資を受ける際にマイナス要素になることがあります。逆に正確な記帳を行い正しい試算表を作成することで経営状況をクリアに把握することが可能になります。
記帳代行を依頼するデメリット
1.費用がかかる
ご自身で行う場合には費用が発生しませんが、当然税理士に依頼する場合、費用はかかりますので、費用対効果を検討することが大切です。
2.税理士によっては引き受けてくれない
記帳代行は企業が領収書や通帳、売上明細などの資料を税理士に送り、税理士がその証憑を確認しながら仕訳を入力していくという流れになります。資料をもとに仕訳を入力していくため、そこそこ作業時間が発生する割に報酬は決して高くありません。そのため税理士にとってはコスパの悪い作業であることは否定できません。そのため記帳代行を引き受けないという税理士もいます。当事務所ではお客様の9割近くが記帳代行を依頼されます。クラウド会計ソフトを活用し、お客さまにもご協力いただくことで記帳作業の効率化ができています。ですので、一概に記帳はコスパがよくないという考え方はいまいちだと私は思います。
まとめ
今回は、記帳代行について取り上げました。基本的には本業に専念できる時間を増やすためにも記帳代行は税理士に依頼することをおすすめします。当事務所では記帳代行を前提とした税務顧問サービスを提供しておりますので、気になった方はぜひ一度問い合わせください。
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